
「ちがう、もっと硬いもんだ。熱い氷だ」
ダイヤモンドは永遠に
はじめに
フレミングはダイアモンド密輸に関してのノンフィクションも書いています。読んだことないけど・・・実際、こんなものなのかなというのが正直な感想。もっと凄いものかと幻想をいだいていたからね。この作品の魅力はティファニー・ケイス! それにつきますね。
ストーリィ
「あらましを話すから、引き受けるかどうかは自分で考えればよろしい」普段かはら考えられない口調でMは任務について話し始めた。宝石級のダイアモンドはほとんどがイギリス領から出て、ダイアモンドの取引の9割がロンドンで行われている。このイギリスにとって最大級のドル箱がダイアモンドだ。しかし年間、金額で200万ポンド以上のダイアモンドがアフリカから密輸されているという。その密輸品はアメリカに流れている。アメリカは最大級の市場であり、これほどのスケールの大きい密輸ができるのは、アメリカのギャングにおいて他ならないからだ。
任務はすでに警視庁のヴァレンスが捕らえている運び屋ピーター・フランクスになりすまして、密輸ルートに潜入することだった。
ピンクのヒロイン
ティファニー・ケイス
ABCという男が組織する密輸グループでは、運び屋と監視役ががともに行動する。そのため監視役でもあり連絡係のティファニー・ケイスにボンドは会いにいく。一筋縄ではいかない、態度もしぶとそうな女。
フェリックス・レイター曰く「ギャングどもにひどい目にあってから、運がなかったというだけだよ」
名前の由来は例のごとく「父親のケイスが男の子じゃないと怒って、千ドルとティファニー製の白粉のケイスを残して出て行ってしまったから・・・・・ちなみにその父親、硫黄島で戦死。
ティファニー・ケイス語録
「あんたが新しい助手ね。座って音楽でも聴きなさいよ。最高の軽音楽よ」
「いいわよ、おにいさん、ためしてごらん。だけど生半可なことではだめよ」
「密輸にはいつも義足の男を捜せと、いつも言ってるのに」
「それから、私を娘っ子扱いしないこと。何をさせたって、あんたなんかよりはうわ手なんだから」
「私を縛ろうなんて、無理して無駄金を使っちゃだめよ。そうね。もう一回くらいは会ってもいいわ」
「とにかく、どうせあんたのおごりなんだから」
「でも、うれしいデイトだということは、ほんとうよ」
「わたしがおごるわ。このお店の噂知ってる? 何を食べても300ドルなのよ」
「まあ、いいわ。すんじまったことよ」
「私の服をほめるとか、もう少し気の利いたこと言えないの?」
「こういうことわざしらない? 桃がほしけりゃ木をゆすぶってみろ」
「私だったらこの居心地いい組織に入る前にとっくりと暇をかけて考えるわ」
「かたわになってもいいように、ハープのレッスンを受けた方が身のためよ」
「このベルネーズ・ソースはミス・T・ケイスが誰の手助けもなしで一人で作られたものです」
黒い悪玉
ルーファス・B・セイ
ダイアモンド密輸組織のボスABCの正体。イギリスのダイアモンド館ヨーロッパ支部の副社長。1951年に投資としてダイアモンド館の経営権を買い取る。ボンドの第一印象は「しぶとい有能な男で、色々並のらい世界を切り抜け、いまもその世界で生きている男」その性格が災いしてか、密輸組織壊滅後、証拠隠滅のためアフリカに出向いたところを、ボンドに狙撃される。
密輸ルート
ルーファスの本名はジャック・スパング、合衆国で最強力なギャング、スパングルト一味の首魁、セラフィモ・スパングとは双子の兄弟であることから、密輸ルートが生まれた。
シェア・レネオ鉱山の採掘者が口の中に入れていたダイアモンドを取り出した歯医者が仏領ギニアの国境沿いに、そこからフランスを経由して、ロンドンからアメリカに運ばれる。
今日の拷問
8分殺し!・・・二人でもって、ブーツで蹴りまくる。
今日のイカサマ
フェリックス・レイター氏にると
刺青の皮膚を移植して馬をすりかえる
斜行してわざと失格になる、というものがある。
詳しくはディック・フランシスの「競馬シリーズ」を・・・
ダイアモンドのランク
純蒼白・・・最高級品
蒼白・・・次点
純無色透明・・・トップ・クリスタル。かすかに黄身がかっている。蒼白の半値。
ケイプ物・・・ちょっと茶色がかっているが、わしにはわからん(M談)
工業ダイヤ・・・宝石向きではないが、歯科のドリルから採掘のドリルまで、アメリカは年間500ボンドこれに支払っている。
|